バカなおばちゃん

 この間テレビを見ていたら「あなた、今年は良くない年よ」とか「最近嫌なことあったでしょう」とか言う、「占いのおばちゃん」が出演していた。最近、このおばちゃんがお茶の間を賑わしているみたいである。まぁ、そのおばちゃんに芸能人たちがズバズバ切られるわけだが、僕からしてみると「抽象的なことを言っているにすぎない」のである。占いなんて大体抽象的ですしね。そりゃ当たるよ。まぁ、メディアでやるにしろ何にしろ、占いすることに何ら反対はないし、それなりに楽しければいいんですけど、おばちゃんは踏んでは行けない「地雷」を踏みました。この地雷、僕の中じゃ大爆発でしたね。おばちゃんに「いじめ相談」を持ちかけた視聴者がいたんです。占い師にいじめ相談をする視聴者も視聴者だが、なんとおばちゃんは答えてしまった。「いじめられている子供を思いきり抱き締めてやればいいんですよ」「ふぅ、バカだ、踏んじまったよ。お前、1番簡単に語っちゃいけねぇトコだろ」僕はその番組を見て、もうハラハラドキドキでした。「もう言うな、もうやめとけ、黙れ!黙れ!…言い切っちゃったよ…」
 みなさん、あまり「いじめ」を簡単に語っちゃいけないです。結論からいうと、いじめはなくならないです。いじめはどの社会にも存在しています。そしてその歴史は古い、というか、社会形成が成されている場所では必ず存在します。そして、今後もいじめはなくなりません。なぜならこの世が弱肉強食であり、多数決の文化であるからです。弱い者は強い者に従うし、強い者は、自分の強さを露呈するために、弱いターゲットを探します。といっても、いじめに賛成しているわけではありません。殺人まで発展してしまういじめには、恐怖を感じるし、最近のいじめは、相手のプライドを根本からズタズタにします。
 では解決策はないのか、と問われますが、今だみつからないし、今後もみつけるのは難しい、というより僕は無理だと思います。そんな、ある意味非常に繊細な感じに構築されているいじめ社会を、「抱き締めてあげて…」なんて簡単に言い切ってしまうおばちゃんに危機を感じたのです。そんなことで解決するなら、もうこの世にいじめはないです。でも今だにあるということは、いじめのシステムが非常に複雑であり、そのためどこから手をつければいいかわからないのです。おばちゃん、あなたは占いをするべきでした。社会現象に口を突っ込めるほど、偉くはないです。