決戦は金曜日

 「消して〜リライトして〜」
いつものように、僕の耳元ではアジカンが歌っている。これもみんなDメンツのせい…いや、おかげ。アジカンをどうもありがとう。寝る前に聴くにはちょっとアップテンポすぎるけど、寝る気がない最近の僕にはジャストフィットです。しかし今晩も敵の来襲です。住居不法侵入です。
「消しファ〜ン、リライトしファ〜ン、ファファンファンファンファンファンファン」
蚊です。
サトルです。
この間はヤスオが来日しました。でもすでに永眠。
今回僕は、サトルの来日を許そうと思いました。
綱吉の如く。
サトルを許そうとしました。でも、
「ファ、ファ、ファ〜ン」
軽いフェイント。こいつ僕をなめてます。でも今晩の俺はかなり優しい。
「良いフットワークしてんじゃん」
今晩の僕の心は寛大である。
「血の数量くらいくれてやるさ。どうせメスだろ?たくさん飲みやがれ。」
メスなのにサトル。まぁ、蚊の生態理論とかは抜きとして。でも、耳には来ないでください。
「ファ〜ン」
耳はやめて
「ファ〜ン」
だから耳はやめろって
「ファ〜ン」
だからみみ…
「ファ〜ン」
「ジョナサン最高!綱吉上等」
一気に臨戦態勢です。俺、誓います。やります。こいつやります。人生かけてこいつをしとめます。
「睡眠妨害、精神衛生崩壊の容疑で、サトル被告を死刑に処する」
ザバッ!(布団)カチッ!(蛍光灯)
そして僕は瞑想に浸った。
「かかってきなさい」
柱に止まった、いや、泊まった。寝てるスキに観察。
「…赤くねぇ!こいつまだ赤くねぇ!!」
血をすってないサトルに、軽く同情の念を覚える。
しかし、綱吉上等の俺だから、奇襲をかけました。スナップの効いた俺の右手首82度。
「ふっふっ、お前はすでに死んで…」
「ファ〜〜〜ン」
「こ、こいつ強えぇ…」
「どうしよう…せんせぇ〜、俺、こいつ殺れませんょ。俺には、俺には、、、」
「うおぉ〜!!台所に逃げたぁ!!くそ!しょうがねぇ」
パタン。
扉、閉めました。あいつの勝ちであって、俺の勝ち。
木曜日から金曜日。今夜も日付が変わってしまった。