読まれることに覚悟を据えようと思った1日

今日はバイト先の飲みに誘われた。
場所は魚民。
そう、神聖なる地、レッドゾーン、略してレッゾン。
おさらいをすると、レッゾンとは「魚民、和民、つぼ八、(一部地域、養老乃滝も含む)」
を指す。
要するに、赤い看板だからである。
黄色はプロミスである。
ちなみに「庄や、やるき茶屋」は赤くないのでレッゾンではない。


今日は喜びを感じた。
飲み会も後半に入り、少しずつ席移動が始まる。
ある男児は、俺の隣で長渕剛の「とんぼ」を歌う。
正直、俺は「とんぼ」の気分ではなかったので、そそくさと席移動の流れに乗る。
そして行き着いたのが女児Hチャンの隣である。
Hチャンには彼氏がいる。
その彼と俺は知人なので、結ばれて本当によかったと影ながら思っていたけど、恥ずかしいから
口には出さない。
そんなHチャンが嬉しい一言を言う。
「ブログ、ちょくちょく見てるよ。というか毎日見てる」
毎日見てるの言葉に俺は、瞳孔が開ききってしまうくらい驚いた。
そして思うのである。


「なめて書いたら終わる」と。


そこに女児Nチャンの波状攻撃が、俺の大脳と小脳と海葉と前頭葉を激震する。
「あたしこの間ブログに出たんだよ!『女児Sチャン』で!」
喜びと感動が、バイオレンスという形で俺を痛ぶる。
心地よいバイオレンス。
「Mっ気あるの?」
みたいに聞かれそうな、そんなニュアンスを含む言葉だが、多分これが妥当。
「心地よいバイオレンス」なのだよ。
ちなみにここではNチャンだが、前回はSチャン。
この女児にも彼氏がいるが、この男児について俺は知らない。
就活という行事に、絶望と希望を混在させている女児Nチャン。(違かったらゴメン)
ちなみに俺は絶望と希望が混在していた。
影ながら応援している筆者。


最近思うのだが、俺の周りの女児のほとんどに彼氏がいる。
そして彼女のいない男児が決まって言う言葉。
「女なんて星の数ほどいるじゃないか。」
そんな言葉に俺は希望を抱けない。
「男だって星の数ほどいる」
のだから。


閉店を迎え、店の外で再び女児HチャンとNチャンと話をする。
「KEN君は彼女いるの?」
とHちゃん。俺は記者会見みたいに
「ノーコメント」
とカッコよく言えないので、
「えっ、いやぁ、そのぉ、わからないなぁ。」
てめぇの身の上話で「わからない」はねぇだろ、と自問自答したが、話は濁す形となった。


Nチャンは銀の折り畳み自転車を乗る。
Nチャンの小さな体に、その自転車はよく似合っていたが、言わなかった。
とその時、
「KEN君、後ろ乗る?」
と聞かれ、俺の心臓ははち切れんばかりにビートした。
「女児の後ろなんか乗れないよ」
と、俺は中学二年生くらいの緊張感を抱きつつ、
「俺、重いから…」
とまた適当な言葉で済ます。
「俺重いから、俺が自転車漕ぐよ」
なんて言えなかった。
多分、還暦を迎えた歳になっても言えない。
俺、まだ青春エンジョイしてるみたいです。


最後の最後に緊張の嵐だった今回の飲み会。
駅から走って帰った自分を振り返り、
「まだまだ純粋さをなくしていないんだ」
と再確認できた午前5時。