異文化コミュニケーション

グローバルの言葉通り、世界はあらゆる形で繋がり始めた。
俺はマルボロ(ミディアムね)を吸ってるし(時々メンソール)コカ・コーラも飲むし(たまにペプシ
ウイスキーはア−リータイムスを選ぶし、ティッシュネピアを選ぶ。
俺は布団で寝るけど、パラマウントベッドに憧れるし、最近じゃ麦茶よりもハーブティーに興味がある。
社会人は「はかま」ではなくスーツで出勤しているし、電気機器は「アイワ」より「ソニー」に憧れる。
とはいえ、アイワはソニーの傘下だった。


もちろん俺の食事もグローバっていて、俺は月に一度はハンバーガーを食べるし、サーロインステーキを200グラムはがっつくし、とんこつラーメンが好きだし、キムチと豆腐のコラボは絶品である。
しかし、トムヤムクンはあまり食べない。記憶がない。
なぜならタイ料理は俺のライフサイクルに組み込まれていない。
でも俺の地元は着実にグローバっていて、最寄駅のA駅の自称デパ地下にはサイゼリヤという名の
「イタリアの台所」
がある。
ベルギー名産の「ベルギーワッフル」もある。
パスタとお酒がメインのオシャレなレストランもある。
そんな地元ステーションがレボリューションを起こす中、
とうとう俺のカルチャー的センスもショックを起こすのである。
タイ料理屋のA駅進出である。


司令塔「トムヤムクン」を中心としたタイ代表は、予選リーグでベトナム、チャイナ、ウズベキスタンなどの強豪を撃破し、トーナメント進出決定戦で韓国代表を迎える。
しかしアジア料理界において、韓国代表は優勝国である。
それは日本料理界最高峰のリーグ「Rリーグ」のクラブチームで活躍する「焼肉」と「キムチ」が韓国代表のツートップとして君臨するからである。
「焼肉」のスタミナは強靱で、なんといってもそのカリスマ性は、元イタリア代表の「パンナコッタ」をしのぐ勢いである。
「キムチ」の日本で大躍進した。彼の影響は大きく、それの結果が「カクテキ」である。
「焼肉」と「キムチ」の相互作用はワールドクラス。練習試合ではブラジルコーヒー豆も手を焼き、
3−2と、かろうじてブラジルコーヒー豆が勝利をおさめた。
韓国戦、タイ代表の「トムヤムクン」が、どこまで食い下がるかが見物である。


とりあえず、俺は予選を勝ち抜き、地元A駅に進出した「タイ料理屋」に足を運んだのである。
0−3
タイ代表惨敗。
日本代表のテイストという名の組織プレーにはかなわなかった。
俺の中でタイ代表のFIFAランキングが少し下がった。