音声案内に革命を

例えば、
「ハゲてる人は1を。ハゲていない人は2を押して下さい」
冷たく、機械的で、「時給いくらで雇われているのかしらん?」などと考えさせられるような、あの見知らぬ女性の声を聞くと、僕は必ず腑抜けになります。


例えば、
「お客さまがお掛けになった電話番号は現在使われておりません。番号をお確かめになって……」
悲しく、悲観的に、「電話番号変えたのかしらん?」などと呟いてしまうような、
あの言葉に出来ない孤独感。


この音声案内に革命の息吹きを吹き込もうと考えているのが僕、kenwatanabeなのであります。
まず何が足りないかと言えば、それは紛れも無く「笑い」であり、いついかなる時でも人は笑っていなくてはいけません。
例えそれが音声案内中でもであります。
「ハゲてる人は1を。ハゲていない人は2を押して下さい」
そんなのはこの世のハゲ人に大変失礼であります。そこにレボリューションを与えるのであるのなら、
「ハゲてる人は1を。例えハゲていない人も、ハゲるのも時間の問題であって、現代人が抱える生活週間病から言えば、あなたも純粋なる1なのであり、だからお前はすでに1を押しているハズ。」
とならなくてはいけません。
ましてや、ハゲてもいないのに遊び半分でそんな無料診断を試みるバカ者に対しては、
「ハゲは1。モッサ〜は2」
みたいに明解な質問にしなくてはなりません。
それにしても、何故ハゲが1でなくてはならないのかがわかりません。
「ハゲじゃない人は1を。ハゲそうな人は2を。ハゲは9を押して下さい。」
でも良いのです。プッシュ解答の場合、9や0は大抵「その他」が位置します。
でも、ハゲだってたまには「その他的存在」になりたいのです。
ハゲだって注目度薄くなりたい時があるのです。


「お客さまがお掛けになった電話番号は現在使われておりません。番号をお確かめになって……」
これはいかにも、という感じの音声案内です。
音声案内界のアイドルであります。
ただ、このアイドルの賞味期限も切れ掛かってきたわけでありまして、そろそろニューウェーブが現れてもおかしくはありません。
何なら僕、プロデュースします。
例えば、
「お前……フラれたよ」
とか。でもかなりベタすぎで却下。
「おめぇ電話かける気ねぇからかかんねぇんだよ、このバカ」
みたいな精神論語るアナウンサ−。


……あーきつい。
無理に書くのってあ−きつい。
もうやめた。
書くのやーめたっ!
オチなんかねぇよ、落としてたまるかっつーの。