これが社会だ

僕、とうとうやった。


「オフィス内更新」


とはいえ、かなりビビリな僕は、左斜め45度の角度に視線を置き、上司たちのあらゆる行動を視野に入れて書き込んでいる。


そう、僕は、重度のチキンなのさ。


それにしても電話番というものは、これ以上ないほどの放置プレーであって、
いくら僕が「放置プレー歓迎」な「ヘドロ野郎」であっても、今回ばかりは脱帽なのである。


でも多分はたから見たとき、カチカチとタイピングをしている僕の姿を見て、上司一同、

「アイツ、やるぜ、きっと、かなり、できるゼ」

と心中思っているに違いないのだ。
でもそんな僕の画面上の下の方には「はてなダイアリー」と開いているサイトの名前がちゃっかり気分で表示される。そしてその隣に「Microsoft Excel」がうっかり気分で載っちゃっている。
そう、エクセルは上司が接近戦を挑んできたときのカモフラージュであって、至って白紙なのエクセルなのである。


それにしても暇だ。
ということで無駄にクールビズにしてみた。
というのは少し御幣があって、気づいたら僕一人がこのオフィス内でネクタイをしめていたのが理由。だから別に「無駄にやってやったぜ」みたいなカッコイイ要素は含まれていない。

なんか、クールビズにしたらイタリアンな気分になった。
僕の中でイタリア人は常にビズっていて、そして何よりもその開襟部分から、
「ムナ毛」
が顔を出していなくてはいけない。
そう、「ムナ毛モッサ」な人がイタリア男で、イタリア男のためにビズはあって、そしてイタリア男がピッツァを旨そうに食べるからサイゼリヤなのである。
決して「ムナ毛モッサ」なイタリア人は日本人みたく、
「サイゼとゼリヤ、どちらが正しい呼び名か?」
など考えない。
イタリア人にとって、サイゼリヤはあくまでもサイゼリヤ、あるいは、
「ムナ毛モッサ」
なのである。
だからイタリアにあるサイゼリヤではウエイトレスは決して
サイゼリヤへようこそ」
とはいわず、
「ムナ毛モッサリ〜ナ〜」
と言って出迎えるに違いない。
イタリアでムナ毛は神に値する。

イタリア人に限ることではない。
ブラジル人であるなら「スネ毛モッサリーナ」だし、
アメリカ人であるなら「ワキ毛フッサリーナ」なのだ。
その頂点を立つのが「ムナ毛モッサリ〜ナ」なのである。

ただ、そんな伊達なイタリア人であっても弱みがあって、結局、ムナ毛が長くて濃ゆいから、ミラノ風ドリアを食べると毛がドリアになる。
「ドリアがつく」
ではなく、
「ドリアになる」
のである。何せ、ムナ毛と鼻毛がつながっているのだから。
まるで「シルクロード」あらため「ムナ毛ロード」と言わんばかりのその路上を、ミラノ風ドリアたちは何食わぬ顔で歩いている。
要するに、イタリアの伊達男たちは、ミラノ風ドリアを鼻から食べているのである。
地中海のそよ風を浴びながら、鼻の穴を大きく広げて、ミラノ風ドリアを鼻から食べる。
というよりも、流し込むに近い食べ方。
たぶんイタリア旅行に行こうと思っている方は「地球の歩き方」を読むのだろうけど、僕としては「ドリアの食し方」を薦めたい。
「鼻毛のつなげ方」
「ムナ毛の育て方」
こんなものでも良い。
決して「るるぶ」などの旅行雑誌は読んでほしくない。
るるぶ」を読むなら「ブブカ」でも読んで「萌え」てくれる方がまだましである。



そんなこんなで約1時間の時間をつぶすことができた。
帰りに「るるぶ」でも買って旅行妄想でもしようと思う。
社会人救済の1つに「妄想」があると思う。
そうですよね?milosさん?