リアルゴールド VS オロナミンC 

俺は最近リアルゴールドを飲む率がかなり高くなっている。
計算したところ1日平均当たり1.575%の確率で飲用している。
それにしても、リアルゴールドの商品価値が1缶120円というのはべらぼうに安いと思う。


俺が昔愛飲していたドリンクと言うと、まず候補となるのが大塚製薬提供の「オロナミンC」である。
アスリート界において「炭酸」が目の敵となっていた約18年前、
オロナミンCの世間での風当たりはシビアなものであった。
その風を追い風へと変えたのが「巨人ナイン」である。
奴らは本拠地である東京ドームで、
「練習後にオロナミンCがぶ飲みしてますよ〜」
みたいなCMに出演した。俺はその中にいた巨人ナインの1人「二岡」のスマイルは決して忘れない。


こうして巨人ナインのバックアップを受けたオロナミンCは、
「銭湯上がりにこの1本」的大躍進を経ることとなる。
これによって銭湯の代名詞「コーヒー牛乳」の息の根は止められた。
そんなビタミン界の異端児「オロナミンC」に「リアルゴールド」のポジションも危うくなる。
そんな中、リアルゴールドの生みの親、「コカ・コーラボトラーズ」は妥当「オロナミンC」の下、
新たな戦略を打ち出す。


リアルゴールド缶販売宣言」


今まで茶色のビンに金ラベルが売りのスタイルであった「リアルゴールド」は、
あらゆるアドバイザーの手によって、「全身金ラベル化」の変貌に成功したのだ。
アルミ缶のため地球にも優しく、又、アルミの光沢も後押しし、その年の「リアルゴールド普及率」は、
前年度の3倍に膨れ上がった。
CMはしない、ゴリ押しもしない、そんな「リアルゴールド」が世間に認められた瞬間である。
「缶化」にみごとやられた「オロナミンC」の親「大塚製薬」は巨人ナインとの提携を断絶、
大塚製薬のキャプテンである「ポカリスエット」に後を任せる形となったオロナミンCは、
事実上ユーザーからの異端児となってしまった。


最大のライバル「オロナミンC」を制圧した「リアルゴールド
だがビタミン界の安住の地はほど遠いものであった。
翌年、ドリンク界のニューウェーブ、「サントリー」が大胆にも宣戦布告を叩き付けた。
「デカビタC」
そう、巷を賑わせたあの「でっかいビタミン」である。
そしてサントリー大塚製薬同様、荒手な戦略を手段として行使する。
三浦知良
カズだ!ユニホームの名前が「KAZU」のカズだ!
Jリーグ開幕と共に名誉を獲得したカズ。そんなアスリート界のドンを、
サントリーはあっさりと「デカビタC」のCMに採用した。
「でっかいビタミン!デカビタC!!」
そりゃ、カズが言えばかなりのビタミン量だと視聴者は受け取るわけだ。
某商品の「ナッツぎっしり!確かな満足!」じゃないが、
こんなセリフは確実に「リアルゴールド」を揺るがせた。
そして「デカビタC」はバカ売れした。ビタミンの叩き売りに近い商品提供。
内容量も「リアルゴールド」を上回る「デカビタC」にユーザーは増幅。


リアルゴールド」は「デカビタC」の躍進に歯止めをかけることが出来ず、
ただただ己の身の上を心配するしかなかった。
ただ、老舗のパワーはやはり強かった。
カズこと三浦知良がフランスワールドカップメンバーから落選。
すると「デカビタC」の人気も大幅に下がった。ビタミンの薄利多売は見事失敗に終わる。
またしばらく「リアルゴールド」のビタミン界での安泰が続くこととなった。


時は過ぎ2004年。コカ・コーラボトラーズ新商品。
「リアルタンク」
これはかなり調子に乗った商品開発である。
リアルゴールドをペットボトル化にしたのである。


ペットボトル化=500ml=ビタミンの薄利多売


明らかにコカ・コーラボトラーズはリスキーな賭けに出た。
ただ、飲み盛りな小中学生は騙せても、昔からの「リアルゴールドユーザー」の舌は騙せなかった。
明らかに味が落ちている。
事実、リアルゴールドの100ml中のエネルギー量が55に対し、
リアルタンクは100ml中、47であった。
その差8はマズさという形でユーザーの舌に残ってしまい、早々商品群から消えた。
その後、サントリーの反逆とも言えよう、
ドデカミン」が新商品として出るが、ビタミンの薄利多売をユーザーはもう求めていなかった。
こうして、「リアルゴールド」はビタミン界の雄として今なお君臨しているのである。
ただ、コカ・コーラと契約を結ぶマクドナルドのドリンクチョイスは明らかに間違っている。
「コーラ」「ファンタ」「ジンジャーエール
ここまで代表的炭酸飲料を並べて、なぜ「リアルゴールド」を進出させずにいるのか?
ハンバーガー+ポテト+コーラ
ジャンクフードの王道とも言えるこのチョイス。
このチョイスを
ハンバーガー+サラダ+リアルゴールド
なんてヘルシーなチョイスだろうか。これは青汁よりも身体に優しく、それでいて美味しい。
「ビタミン薄利多売禁止法」が制定された今、もちろんサイズは「Sサイズ」となるが、
それでもヘルシーに変わりはない。
ビタミンが騒がれる現在、マックで「リアルゴールド」が売られる日もそう遠く無いと、
リアルゴールド推進委員会会長の俺は密かに考えている。